白紙の裏

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『スマブラSP』のDLC参戦キャラクター予想 その1 これまでの参戦キャラやスピリットからわかること

ブログを開設したはいいものの、特に書きたい日々のイベントなどないので、最近頭の中でこねくり回している『スマブラSP』の参戦キャラ予想について、ここから数回に分けて書いていきます。

あくまで参戦キャラの妄想ではなく予想なので、「参戦してほしい」キャラを列挙するのではなく、「参戦してもおかしくない」キャラを絞り込んでいきたいと思います。

まずは、どのような傾向で参戦キャラが選ばれているかを知るために『スマブラSP』から参戦したキャラについて見ていきたいと思います。

 

スマブラSP』から参戦したキャラクターについて

インクリング、しずえさんの参戦からわかること

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これらのキャラクターは言うまでもなく、取りあえず参戦させないと筋が通らない任天堂社内のキャラですね。インクリングWiiUで生まれた人気IP『スプラトゥーン』の代表、しずえさんはアバターであるむらびとに代わって『どうぶつの森』の顔として各所に顔出ししています。特にインクリングは投稿拳でも人気を集めていたようですが、forでの参戦は見送られました。これは、3DSのスペックではインクシステムを導入できなかったこと(実際3DSのスペック不足によりアイスクライマーの参戦が『for』では見送られています)、また全てのキャラクターとステージ、アイテムについてインク付きのモデルを製作しなければならず、DLC製作期間に対して莫大過ぎる手間を必要とすることが原因だと僕は見ています(DLC製作期間中に『SP』の企画書に取りかかっていたので『SP』に回した、という見方ができます)。

 

彼女たちの参戦により、取りあえず任天堂の有力IPのキャラがスマブラ参戦にあたって最優先されること、やはりDLCにおいて手間のかかりすぎるキャラは敬遠される(特にスマブラのファイターパスは約1年後の2020年2月までに全キャラを開発して配信すると宣言しています)ことが確認できます。

 

ガオガエンの参戦からわかること

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スマブラ』の赤きサイクロン

これまた有力IP『ポケットモンスター』からの参戦です。ガオガエン参戦の詳細は『ニンテンドードリーム』の桜井さんのインタビューで語られています。それによると、桜井さんは『スマブラSP』の企画書作成(2016年の初頭?)にあたって製品版の参戦キャラを全て決めたそうですが、『ポケモン』新作からの参戦枠だけは「新ポケモン枠」と空けており、そしてある程度詳しい資料を貰ってからどれにするか決定したそうです。そして最終候補のジュナイパーガオガエンで迷った結果後者にしたというわけです。

 

まあ、結果として飛び道具キャラが害悪と呼ばれ嫌われがちになる『スマブラ』でガチガチの遠距離ファイターになり、他社ゲストとして予定しているシモン、リヒターと少し個性が被るであろうジュナイパーよりは、プロレスキャラというスマブラにない個性を持つガオガエンを優先したのだろうと思われます(2018年11月のスマブラダイレクトの桜井さんの発言からは『ストリートファイター』シリーズのザンギエフを意識していたことが窺えますね)。

 

それと、第7世代のポケモンには『サン・ムーン』の発売当初から強いプッシュを受けていたミミッキュがいます。『for』では当時ポケモン公式から強いプッシュを受けていたゲッコウガが参戦したことを踏まえてミミッキュを参戦予想に挙げる人も多くいましたが、そうはなりませんでした。ミミッキュが持つ一番の個性は何と言っても相手の攻撃を一度無効化できる「ばけのかわ」ですね。これをスマブラで再現するとなるとバランスブレイカーになりかねません(本家『ポケモン』ですでに対戦バランスを崩壊させていますが)。きっと原作再現とファイターとしての個性がうまく両立できないキャラクターは『初代』や『DX』の頃とは違い、今となっては参戦させにくいのでしょう。

 

リドリー、キングクルールの参戦からわかること

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それぞれ『メトロイド』『ドンキーコング』シリーズから宿敵の参戦です。いずれも海外からの要望が非常に強いことで知られ、リドクルとセットにして語られることも多かったです。

 

リドリーは『初代』からステージギミックや「亜空の使者」のボスなどで非プレイアブルながら顔出しを続けていましたが、それでもプレイアブルにして欲しいと投稿拳で多くの票を得たものと思われます。クルールも投稿拳の結果を受けてか『for』のDLCmiiコスチュームが配信されました。称賛どころかむしろ顰蹙を買ってしまいましたが。

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いずれもここまで参戦を逃していたのは、原作でプレイアブルでないためモーションを『スマブラ』用に新造しなければならないこと、『スマブラ』の製作時期に旬のキャラでなく、任天堂的に優先度の低いキャラであったことなどが考えられます。リドリーはあくまで中ボスでラスボスは滅多に務めないという微妙な立ち位置ですし、クルールはずっと出番が無い状態でしたし。

 

また、投稿拳まで要望が明確に数値化される大規模な機会がほとんどなく、彼らの人気のポテンシャルがいか程か任天堂としてもあまり把握できていなかったのでしょう。

 

投稿拳の結果があったとはいえ、彼らに順番が回って来たということは、任天堂的に優先度の高いキャラというのが『SP』企画書作成段階では最早ほとんどいなかったことを示しています。

 

シモン、リヒター、ケンの参戦からわかること

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製品版にて参戦した他社キャラの3体です。

 

コナミの『悪魔城ドラキュラ』シリーズからシモンとリヒターが参戦しました。その理由として意味不明の陰謀論を唱える(小島秀夫氏との確執があり、『メタルギア』シリーズを社の代表として参戦させたくないコナミがスネーク参戦をダシに『悪魔城』を捻じ込んだという内容)声もネット上にありますが、真に受けてはいけません。『悪魔城』は『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』で確立した探索型2Dアクションゲームジャンルの通称「メトロイドヴァニア」に『メトロイド』と共に名を残すほどの偉大なシリーズとして評価されています(『月下』のリリースは『メトロイド』の11年後ですが…)。そして投稿拳で実際に人気であったことも事実です。

 

また、桜井さんにとって1986年にリリースされたファミコンタイトルはかなりの思い入れがあるようで、以下のツイート

に加え、 ファミ通コラムvol.320「伝説の1986年」(2010年2月18日号掲載)で

 1986年は、日本におけるゲーム史の中でも偉大で、語るに欠かせない年代だと思っています。わたしは当時、中学3年生から高校1年生。多感(?)なこの時期に、ささるゲームが乱発されました。

 まずこの年早々にファミリーコンピュータディスクシステムが出ています。ということは、いまなお受け継がれる重要なシリーズ『ゼルダの伝説』が誕生したということですね。発売日当日、わたしは寒い中お店に並び、5台しかないディスクシステムをゲットしたもんですよ。お年玉はたいて。同じく、8月に『メトロイド』、9月に『悪魔城ドラキュラ』が登場しています。いまもおなじみのシリーズですね。

 と述べており、『悪魔城』がお気に入りのタイトルであったことがわかります(この1986年の話は後の記事でもう一度触れます)。

 

ケンについてですが、2018年E3のダイレクトで1on1におけるリュウの仕様変更とダッシュファイターについて発表されたため、来るんじゃないかと僕は予想がついていました。また真偽は定かでないですが、春麗の技構成が企画書の期限内に完成しなかったためケンが参戦することになったという情報がxenotherを名乗る人物によってリークされています。女性ファイターの元祖ともいえる春麗が『スマブラ』の参戦キャラとして考えられていたというのはいかにもありそうなので、真実だったら面白いなとは思います。

 

現状、同一他社からの参戦はダッシュを0.5として2.5キャラが上限になっているということは一応注目しておくべき事実であります(カプコンロックマンリュウ、ケンでコナミがスネーク、シモン、リヒターです)。

 

ジョーカー参戦からわかること

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DLC第一弾として『ペルソナ5』のジョーカーが参戦することが発表されました。ファミコン時代から続く老舗『女神転生』シリーズの流れを汲む『ペルソナ』シリーズの最新作で、世界的な高評価を受けて一気に『ペルソナ』を世界的IPにのし上げました。

 

桜井さんもファミ通コラムvol.515「UIには狙いがある」(2016年10月20日号掲載)で次のようにべた褒めしています。

ペルソナ5』は、キャラ絵よし!ゲームシステムよし!音楽よし!モンスターデザインよし!世界設定よし!シナリオやセリフよし!いろいろよし!の 無敵なゲームなので、多くの方が楽しんでいると思います。

 

『ペルソナ』シリーズ本編はPSハードを中心に展開しており、ジョーカーの任天堂ハードへの登場は外伝の『ペルソナQ2』のみです。『for』で参戦した当時似たような境遇であったクラウドの『FF7』と比べると『P5』は売上実績で見劣りしてしまうため、他社枠として不適切であり、これは桜井さんのごり押しによるものだとかいった偏見に満ちた主張が一部ネット上ではなされていたりします。

 

勿論そんなことはなく、Metacriticで93点の高評価を記録しており、

www.metacritic.com

なおかつファミコン時代からゲームをプレイし続けている筋金入りのゲーマーの桜井さんが評価している作品を任天堂としても評価していないわけがありませんよね。良い物を良いと見抜く力がなくてどうして業界のトップを走り続けていられるでしょうか。言いがかりもいい所です。

 

桜井さん自身がこのツイートで、DLCのキャラ選過程には任天堂の持ってきたキャラの企画にGOをかけるかSTOPをかけるかについてのみ関与していると説明していますし。

 

それに、このツイートの通り「ゲーム業界のお祭り」を目指す上で『スマブラ』に老舗IPの『メガテン』要素を導入できるというのも十分魅力的です(『メガテン』だけだとやや一般知名度が弱いので『ペルソナ』を選んだと納得できます)。

 

また、後の記事で述べますが、スマブラ』に参戦できそうな和サードパーティのキャラクターというのはもう意外と残っていないです。桜井さんも『ニンテンドードリーム』2019年3月号のインタビューで

他社さんから何か1作出したいと考えた時に、あまり選択肢はありませんよね。

と述べていますし。皆さんも安易にまとめサイトTwitterの意見に流されないように注意してください。

 

パックンフラワー参戦からわかること

いつも通りのサプライズ枠ですね。『ニンテンドードリーム』2019年3月号の桜井さんのインタビューを引用すれば十分でしょう。

—— パックンフラワーの参戦は「まさか!」という思いでした。

桜井

 ヒーロー然としたキャラクターだけが並んでいるゲームって、あんまり魅力がないんですよね。あくまでおまけなので、比較的自由に設定できるというのはあります。「販売するキャラクター」としてパックンフラワーが1体、というのはさすがにいろいろ考えちゃうところはありますけどおまけの一体として割り切ってもらえるなら、いろいろとこねくり回すこともできますし。

—— パックンフラワーがジャンプやダッシュをしたりしている姿だけでも、ギャップで楽しめますね。

桜井
例えば剣士のようなキャラクターだと個性を出すのが大変で、同じようなモノばかりになりかねないんです。 やっぱり主人公って剣が好きなんですよ、ときには斧でもいいんじゃないかと思いますけれど(笑)。剣ばかり、そうでなくてもパンチやキックばかりだとゲームの個性がなくなっていくわけですが。パックンフラワーは「そこにしかないワザ」が山ほどありますからね。

 

スピリットとして取り上げられているキャラについて

2018年11月のスマブラダイレクトにおいて

スマブラ』はせっかくの大クロスオーバー企画なので、ファイター以外のさまざまな世界のキャラクターを楽しめるものを作りたいと思いました。そこで1つ考えたものがあります。それが、「スピリッツ」です。 

 と桜井さんは述べています。

 

そして、もう1つ確認しておきたいのが、『for』の投稿拳開催時に海外の『スマブラ』コミュニティで作られたこの画像です。

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リストに掲載されているキャラクターの大半がファイター、アシスト、スピリットのいずれかで参戦している。

海外人気のあるキャラクターが中心で日本での人気はほとんど反映されていませんが、大多数がファイター、アシストフィギュア、スピリットのいずれかで参戦していることがわかります。リストの内キングクルールインクリングベヨネッタ、シモンが新規で参戦、リドリー、しずえさんがステージギミックやアシストからの昇格で参戦し、ロビン、クリスタル、ボンバーマン、ナックルズ、ショベルナイトがアシストとして参戦。それ以外で特に要望が多かったと思われるジーノやディクシーコングなども一番使う機会が多くなるであろうレジェンド級のスピリットとして好待遇を受けています。特にジーノは同じく『スーパーマリオRPG』で仲間になるマロが2ランク下のホープ級なのに、露骨に高ランクに設定されていますね。

 

今まで『スマブラ』にかすることすらなかった海外サードパーティのキャラクターであるショベルナイトがアシスト、レイマンとシャンティがスピリットとして参戦していることも見逃せません。

 

そして、先に挙げた桜井さんの発言とこのリストのほとんどのキャラが何らかの形で『SP』に出ていることを考慮すると、投稿拳で要望はあったが、ファイター化は難しいと判断されたキャラクターも全力を尽くしてスピリットで拾おうとした『SP』開発チームの努力のあとが垣間見えます。

 

逆説的に、スピリット化しているキャラのファイター化はごく一部の例外を除き、DLC企画の際まず考慮されなかったであろう(もう既に検討した結果スピリットとしているため)と言えるでしょう。

 

リストのサードキャラの内、スピリット化すらされなかったキャラクターもいますが、これはDLCで出すために温存したとか参戦フラグだとかいうよりもむしろ、原則として他社からは参戦タイトルからしかスピリットを出していないことによるものだと思われます(『FF』からのスピリットはなく『マリオRPG』のジーノとマロだけスピリットで出たスクウェアエニックスは例外)。

 

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また、『幻影異聞録♯FE』の織部つばさ(版権はアトラス)、それに加えて『零~紅い蝶~』の天倉姉妹や『零~濡鴉ノ巫女~』の不来方夕莉(版権はコーエーテクモ)がスピリットやアシストで出ている上、アトラスからはジョーカー参戦が決定したことも注意しておきたいですね。コーエーテクモからの参戦についてはおいおい検討するつもりです。

 

まとめ

今回のまとめは

  1. 任天堂キャラが最優先
  2. 任天堂にも他社にももう出せるキャラがほとんどいない
  3. 現状他社枠の上限は2.5キャラ
  4. スマブラ』はもはや「ゲーム業界のお祭り」
  5. 洋サードキャラにも門戸は開かれつつある
  6. スピリッツからのファイター化はアシストからのファイター化同様まずない

といったところでしょうか。次回「その2」ではよく名前のあがる有名IPについて検討していきたいと思います。